知的財産戦略は事業戦略と開発戦略の三位一体の構成を基本としています。 しかし、知的財産戦略は事業戦略と開発戦略と同格の位置づけではなく、あくまでも事業戦略と開発戦略をサポートするものであります。 言い換えれば、企業の戦略は、経営戦略、事業戦略、オペレーション戦略から構成され、オペレーション戦略が事業戦略、経営戦略を支える形になっています。知財戦略は、オペレーション戦略に位置するものとなっています。なお、オペレーション戦略として、他にマーケッテイング戦略、人事戦略、財務戦略があります。
知財戦略を策定するには、先ず、その事業(ビジネス)の強み/弱みを知財的に把握するために、知財ポートフォリオを作成する必要があります。この知財ポートフォリオは知財マネージメントの実行において有効です。
また、知財戦略の策定に際しては、知財知財(特に特許)の棚卸のセミナーで取り上げたMTマトリックスを利用します。このMTマトリックスは縦軸を技術、横軸を市場とするMAPであります。縦軸の技術は自社技術のレベルを表し、横軸の市場は自社事業の参入度合いを表すものです。このマトリックスと知財ポートフォリオを重ね合わせることにより、自社事業が特許的に弱いのか、それとも強いのかを分析できます。そして、知財戦略としては、弱いところは特許保有件数を増やす知財戦略を立て、また、強いところはその強みを維持する知財戦略を立てます。他に、知財のライセンスを受ける必要があるのか、事業連携が必要となるのかも分析が可能となります。
1. 企業の戦略
2. 企業の戦略
3. 知財戦略の定義
知財戦略とは、 「事業を成功させるための 知財マネージメントの大きな方針」
・知財戦略は、経営戦略(全社戦略)、事業戦略の実現をサポートするします。 ・知財戦略は、経営戦略、事業戦略の課題に対して成果を上げるために、知財の面からサポートします。 ・知財の面から経営課題を見つけることもります。 ・単発的な活用ではありません。
4. 知財ポートフォリオ
縦軸を当該製品の市場評価点、横軸を技術評価点とし、各製品の得点をマッピングしたバブル図である ⇒ 縦軸と横軸はいろいろな組み合わせが考えられる バブルの大きさは特許の数を示す 市場の大きさを加味する必要がある
ポートフォリオマップの領域の意味
大名 ・・・「他社のウォッチングと特許バランスの維持」 武将 ・・・「積極的出願と特許固め」 騎馬隊・・・「自社実施&他社実施のバランス重視」 足軽 ・・・「他社実施を前提とした有効活用」