研究開発の成果物として知的財産があり、その一つとして、発明があります。研究開発を行っている企業において、開発費を使用している以上、その成果物である発明を発掘管理する必要があります。 開発成果物を見える化するために、その開発成果物である発明が特許出願するものか、出願せずに機密化するものか、公知化するものかを管理する必要があります。
特許出願は発掘された発明を権利として取得するためのものであります。したがって、その特許が休眠特許ならず、活用できる特許となるように加工して出願する必要があります。その加工方法として、発明のブラッシュアップ(特許開発)があります。この発明のブラッシュアップは、自社が現在の製品に組み込む発明を他社が 将来の製品に組み込みたい発明に加工するものです。 すなわち、社内で発掘された発明が将来他社にとってどのような技術として必要となるかを考えるステップ(特許開発)を入れることが、事業に役に立つ特許を生み出すことに繋がります。
また、発掘された発明にはノウハウが多く含まれている製造方法等においては機密化を行い、特許性が乏しい一方、他社での登録を阻止する目的で、公知化を行うことも知財戦略上、必要です。 知財部門と事業部門との間では相互報告体制が必要です。その報告体制は以下の通りです。
1. 知財部門は発明の報告内容を事業部門に指示する。 2. 事業部門は発明者、発明の概要を知財部門に報告する。 3. 知財部門は発明者にヒアリングを行うとともに発明報告書(提案書)の提出を指示する。 4. 事業部門は発明報告書を知財部門に提示し、知財部門は出願可否 を事業部門に報告する。 5. 知財部門は事業部門(発明者)に他社の特許情報を定期的に提供することです。
1. 開発成果物の見える化
2. 発明のブラッシュアップ
企業内では未利用の特許が多数あり、問題となっています。 その理由の一つに、特許権の活用タイミングは出願タイミングから見て将来であり、かつ他社がその技術を必要とするかであるにも係らず、出願の視点が、その出願時に自社がどのような技術を採用しているかということに偏っているためです。 社内で発掘された発明(技術)が、将来他社にとってどのような技術として必要とされるかを特許開発という「考える」ステップを入れることが、事業に役に立つ特許を生み出すために必要です。